こんにちは! コアラです。
脱炭素社会の実現に欠かせない自動車のEV化。
しかしその言葉を知っていても、EV化に当たって
- どのような主要技術があるのか
- また関連銘柄は何か
といったことが気になっている方も多いのではないでしょうか
今回は、その「自動車のEV化」について主要な技術と関連銘柄について、大学院で電気工学を学んだ現役ソフトウェアエンジニアのコアラが解説します。
本記事を読んで、EV化に関する知識を深めましょう。

様々な参入者と技術がひしめき合うEV。
どのような技術があってどの企業ががそれを担っているのか解説します。
※※本記事は特定の投資商品の売買の推奨等を目的としたものではありません。
※投資は自己責任でお願いします。
そもそもEV化とは?
EV化を一言で言うと
「ガソリン自動車から電気自動車へシフトすること。また、その取り組み。」
と言えるでしょう。
自動車のEV化は「脱炭素社会の実現」に欠かせないもので、世界各国でEV化が推し進められています。
実際アメリカではEV化が進んでおり、有名な「テスラ(TSLA)」がEV化の推進役として大きな力を持っています。
このように世界で進められている自動車のEV化。
そのEV化を支える技術について順を追って解説します。
EV化の主要の構成要素
EV化の主要構成要素は大きく分けて
- モーター
- 電池
- 充電技術
- パワー半導体
- センサー
の5つがあります。
これらの構成要素について順次解説していきます。
エンジンは「モーター」化する

電気自動車の最も大きな変化は「エンジンがモーター化」すると言うことです。
これに関しては解説するまでもないかもしれません。
しかし、この「エンジンのモーター化」が実は破壊的イノベーションであることはご存知でしょうか?
なぜ、「エンジンのモーター化」が破壊的なイノベーションなのかと言うと、
「モーターはエンジンよりも遥かに作るのが簡単である」
と言うのが主な理由です。
実は「エンジン」と言うのは機械工学の先端技術の塊であり、作るには
- 高度な機械工学の知識
- 莫大なノウハウの蓄積
- エンジン部品を提供する凄腕の職人たち
が必要となってきます。
対して、「モーター」は
- 基本的な構造は磁石に電線を巻いているだけ
です。
そのため、EV用モーターは自動車開発の難易度を劇的に下げた「破壊的イノベーション」に位置づけられているのです。
ガソリンタンクは「電池化」する

さて、「モーター」を動力とするEV自動車ですが、その「モーター」を動かすために電気を供給する必要があります。要は、ガソリンの代わりに電気を使っているわけですね。
モーターに供給する電気も再生可能エネルギーから発電することができるので、EV自動車はガソリン車よりも炭素排出量が少ないと言われている。
当然、自動車といった大きなものを走らせる必要があるのでEV自動車はかなり大型の電池を車体の下に敷き詰めています。
この大型電池の作るのは簡単なようで実は難しく、
- 大電力を扱うため発火しないように作成する
- 重すぎると燃費が下がるので軽くする
- 経年劣化しないように材料を使用する必要がある
- 交換できるように設計する
といった工夫が凝らされており、EV用電池はそれなりに参入障壁の高い技術となっています。
電池関連銘柄 Panasonic
このEV用電池の主要メーカーとしては「Panasonic(6752)」が挙げられます。
Panasonicは近年、テスラへの主要な電池サプライヤーとしての地位を確立しており、EV化の関連銘柄であると言えます。
実はモーターよりも「充電技術」が重要

EV化を実現するには、実はモーターよりも充電技術の方が重要であると言えます。
「なぜ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、EV化の直近の課題として
- EV用電池をフルチャージするのに時間がかかりすぎる(数時間)
- そもそも街中に充電器が少ない
といったことが挙げられます。
実は車体の開発よりも「充電器問題」の方がEV自動車の普及を妨げる問題となっているのです。
この問題を解決するために近年が「スーパーチャージャー」と呼ばれる高速・大電力の充電器の開発・普及が活性化しています。
充電器関連銘柄 テスラ
この「スーパーチャージャー」の主要な開発者として「テスラ(TSLA)」が挙げられます。
テスラは車体だけなく、「スーパーチャージャー」の主要な開発者としても力を持っているわけですね。
「パワー半導体」もEV化の鍵

EV自動車は電気で動きます。そのため、この電気の制御が
- EV自動車の燃費向上
- モーターのスムーズなコントロール
- 漏電防止と安全性
に欠かせない技術となっています。
この電気を制御するのに必要な技術として「パワー半導体」があります。
「パワー半導体」とは?
パワー半導体とは「高い電圧を扱える半導体」を指しています。
そもそも半導体とは、
「電気を通したり、通さなかったりすることで電気の流れを制御できる物質・素子・部品」
のことを指しており、スマホなどに大量に搭載されています。
しかし、スマホの半導体とパワー半導体の違うところは、大電力を制御する必要があることです。
そのためには、
- 大電力で壊れない
- 電力から発生する熱に強い
といった特徴が必要です。
実は半導体と言うのは極めて精密で、大電力を使用すると簡単に壊れてしまいます。
(実際、静電気で簡単に壊せます。)
そのため、大電力で壊れない上に誤動作しないと言うのは技術的に難しく、パワー半導体の製造には参入障壁があると言えます。
「パワー半導体」関連銘柄 富士電機
パワー半導体の関連銘柄としては、「富士電機(6504)」、「ルネサスエレクトロニクス(6723)」があります。
ルネサスエレクトロニクスは昔から自動車用の半導体技術に強く、パワー半導体だけなく後述の電力制御用のマイクロコンピューターの開発でも強みを持っています。
電力制御の要は「マイクロコンピューター」

マイクロコンピューター(マイコン)とは?
EV自動車を実現する上では、「電力を精密に制御するための頭脳」が必要になります。
この頭脳に当たるのが「マイクロコンピューター(マイコン)」です。
マイコンは元々、精密機器ですので通常、大電力には耐えられません。
(マイコンは静電気で壊れるくらい精細です。)
そのため、EV自動車には
「大電力に耐える構造を持ったEV用マイコン」
が必要になります。
EV用マイコン関連銘柄
EV用マイコンに強みを持つ銘柄として「ルネサスエレクトロニクス(6723)」があります。ルネサスエレクトロニクスは昔から自動車用の半導体技術に強く、パワー半導体だけなく電力制御用のマイクロコンピューターの開発でも強みを持っています。
「センシング」で自動運転へ

EV化とは直接的には関係はありませんが、「自動車のEV化」と「自動運転」はセットで考えられることが多いです。
この自動運転には当然、自動車が障害物、歩行者などを感知する技術”センシング”が必要となってきます。
下記で、このセンシングについて解説します。
自動運転に欠かせない「センシング」とは?
自動運転のセンシングに欠かせない要素として、
- 歩行者、障害物との距離を計るセンサ
があります。
また、自動運転用のセンサにはすでに「LiDAR(ライダー)」と呼ばれる有力技術があります。
LiDARはLaser Imaging Detection and Rangingの略称で難しいようですが、単純に光を使って人とか障害物を検知するセンサーとそれを扱う技術のことを指しています。
「センシング」関連銘柄
LiDARを提供する企業としては、アメリカの「ルミナーテクノロジーズ(LAZR)」があります。
ルミナーテクノロジーはLiDARの技術でテスラを連携しており、今後の自動運転市場の有力候補として期待されています。
(「テスラ、ルミナー製センサーを試験-「無用」と断じたマスク氏翻意か 」引用:BloomBerg)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実は様々な技術と関連企業が存在するEV化は、今後も「脱炭素社会の実現」のため、国を挙げて強力に進められていくことが予想されます。
本記事で紹介した銘柄に投資して、EV化の利益を享受するのも良いのではないでしょうか?
この記事が皆さんのEV投資の助けになれば幸いです。

EV化はまだまだ始まったばかり。
関連銘柄に投資するチャンスはまだたくさんある。
以上、コアラでした。
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